日常の暮らしの中に「美」を♪アーツ・アンド・クラフツとデザイン展|松江市

島根県松江市にある島根県立美術館で開催中の展覧会「アーツ・アンド・クラフツとデザイン展」をご紹介します!

目次

企画展【アーツ・アンド・クラフツとデザイン ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで】

19世紀後半、イギリスでおこったアーツ・アンド・クラフツ運動。
産業革命により大量生産された粗悪な製品を批判し、手仕事の復権や生活と芸術の統合を目指した運動で、様々な展開をしながらヨーロッパ、アメリカへと広がったそうです。
日常の暮らしの中に「美」を取り入れることで精神的に豊かな生活につながっていく。
多彩なデザインは、時代や社会を越えて今もなお魅了し続けています。

展示会場に入ると一面壁紙デザインに囲まれています。
ここはフォトスポットとなっていて、お気に入りのデザインをバックに写真を撮ることが出来ます。
自分の部屋ならどのデザインがいいかなーと選ぶのも楽しいです!

1:モリス・マーシャル・フォークナー商会とモリス商会

そもそもモリスは建築家を目指していたこともあったそうです。家を造るということは建物だけでなく、壁紙、家具、カーテンなどトータルで考えるのが当時の建築家。
モリスが自身の家族で住む家のために制作した壁紙から始まり、様々な色・バリエーションを商品化し人気を博しました。モリスのデザインは植物や鳥・虫など自然をモチーフとしたものが多く、自然のエネルギーと美しさに魅了されます。
また当時の椅子は持ち運ぶのも一苦労する重厚なものがスタンダード。
そんな中モリス商会から販売した椅子は無駄なものをそぎ落とし、素朴ながらも洗練されたデザインで、人々の生活にあっという間に広まっていったようです。

こちらの椅子は一味違い、花柄の織りものの布張り。
肘掛けと座面をつなぐ部分は緩やかな曲線を描き、脚も前後でデザインが違うんです。車を付けて持ち運びしやすくするなど、細かい部分まで心配りされたこの美しさ!「座ってみたい!!」の気持ちがあふれます!

モリスは書籍のデザインもしていたそうです。
作品ごとにその内容に合わせてオリジナル書体を作り、背景デザイン・余白の幅まで計算し尽くされたとのこと。
どれだけの時間をかけてこの一冊が完成したのかと思うとともに、当時の人が本を手に取り開く時のワクワク感が目に浮かびます。

2:アーツ・アンド・クラフツ展覧会協会

モリスに影響を受けた建築家・装飾家・彫刻家らが結成したアート・ワーカーズ・ギルドが開設したアーツ・アンド・クラフツ展覧会協会。
壁紙・家具・陶器・手工芸etc.人々の生活を豊かにする多くの優れた作品の展示に人々は魅了されたようです。
それまでの展覧会では各作品に「会社名」が記されていたのに対し、ここではデザイン者、職人名など制作に携わった人すべてを記したとのこと。
手仕事復権への強い想いを感じます。

色とりどりのタイルが一面に並んでいます。
現代の生活でタイルというと水回りの空間で使用されるシンプルなものをイメージしますが、当時は色々な図柄を組み合わせて壁面や暖炉の周りを装飾したそうです。
耐久性があり衛生的、そして容易に取り換えて模様替えが出来るタイル。
目を輝かせながら模様替えをして気分一新!美しいものに魅かれるのは時代が変わっても同じですね。

3:英国におけるアーツ・アンド・クラフツの展開

アーツ・アンド・クラフツ展覧会の中でもモリスが会長を務めた第4回、第5回は最も優れていたと言われています。
イギリスではテキスタイル、家具、ガラス容器、銀細工、ジュエリーまで多くのデザイナーや職人が活躍し、それぞれの団体が切磋琢磨し多くの作品を生み出していったようです。
「生活の中の美」を大切にするというモリスの考え方は引き継がれ、決して高価な素材を使うのではなく、そのデザインの美しさで使う人の心を豊かにするものを制作していきました。

ガラス花器もたくさん並んでいます。波打つ曲線が優雅で美しいです!
色も乳白色や黄緑色、やや黄色味を帯びたストローガラスなど様々で、上から見たり横から見たり、角度を変えると色味・透明感が変化するのも素敵です。

4:アメリカでのアーツ・アンド・クラフツ

アメリカの建築家もモリスの工房を訪ねるなど、アーツ・アンド・クラフツ運動は海を越えアメリカにも広がり、モリスの死後、アメリカ各地に協会が開設され多くのデザイナーや職人が活躍していったそうです。
ただ、モリスの機械制作を否定する考え方とは違い、機械で出来ることは機械に任せ手仕事ととの融合を目指していったとのこと。
こちらの椅子はモリス商会制作のものと比べとても直線的です。
木材など直線美を生かしたデザインを有効に取り入れながら座面には贅沢な皮を使用するなど力強いデザインです。
ヨーロッパとアメリカ、とても対照的です。

金色の輝きが美しい三輪の百合型のランプとグラス。
こちらはティファニー・スタジオで制作されたものです。
ティファニー・スタジオでは優雅で洗練されたデザインの高級なガラス器を多く作り、特に卓上ランプは大人気だったそうです。他にもペンスタンドやデスクカレンダーなどおよそ100年前の作品も見ることが出来ます!
シカゴの若い建築家フランク・ロイド・ライトは機械の直線的なデザインの必要性を唱えながら、幾何学的な作品を多く制作していきました。
一方モリスの重要性も認めていたそうで「すべての芸術家はウィリアム・モリスを愛し、尊敬している。彼は生きていた時代に芸術のために最善を尽くしていた。」という言葉も残しています。
アーツ・アンド・クラフツは、デザイナーと製造業者との共同制作で洗練され世界へ広まっていったのです。
手仕事であれ機械を受容したものであれ、優れたデザインと質の高いもの作りが生活を豊かにするという理念は私たちの生活でも生き続いています。

企画展は11月3日まで開催中。ぜひ会場で美しい作品を間近でご覧ください!

【ミュージアムショップ プチ情報】

ロビーのショップにはこの企画展にちなんだグッズがたくさん並んでいます。
モリスの代表的なデザインをあしらったカップ、紙ナプキンやティッシュボックスまで、お部屋をやさしく彩る品が揃っています!

開催情報

企画展【アーツ・アンド・クラフツとデザイン 
ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで】

会場:島根県立美術館
住所:島根県松江市袖師町1-5
開催期間:2026年9月11日~2026年11月3日
開館時間:10:00~18:30(展示室への入場は18:00まで)
休館日:火曜日(11月3日は開館)
電話番号:0852-55-4700
観覧料(当日券):一般1300円、大学生800円、小中高生400円

この記事をシェアする
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

とっとり・しまねの気になる話題、楽しみ方、役立つ情報をお届けします!


Warning: Uninitialized string offset 0 in /home/xb309867/na-na.media/public_html/wp-includes/class-wp-query.php on line 3872
目次