伝統工芸に触れる5月。日本を代表する七宝(しっぽう)作家を辿る企画展

皆さんは『七宝(しっぽう)焼き』という伝統工芸をご存じですか?

吸い込まれるようなガラスの煌めき、鮮やかで独特な色づかい―。

七宝(しっぽう)の始まりは約4000年前の古代エジプトから。日本には古墳時代の6世紀ごろに伝わった工芸です。

そんな『七宝焼き』、現在鳥取市にある歴史博物館 やまびこ館で見ることができるんです!

「岡垣七宝(しっぽう)研究所 60年の歩み~岡垣幸得先生を偲んで~」

日本の第一線で活躍した鳥取市の岡垣幸得(おかがき・ゆきえ)さんが、60年の作家人生で手掛けた中のおよそ50点の七宝が展示されています。

目次

七宝(しっぽう)は日本の伝統工芸


七宝のデザインは、筆で描かれているわけではないんです!
銀線と言われる細い銀の線を、デザインの形に沿って、切ったり折ったり。


それを立たせて仕切りをつくることで、色を区別させて描いています。

色付けに使うのは、釉薬(ゆうやく)と呼ばれる色が付いた粉状のガラス。

この釉薬を金・銀・銅の上に乗せて、約800℃の電気炉で焼きます。

デザインを作る度、色を乗せる度、この作業を何度も繰り返すことで
七宝(しっぽう)にしか出せない、透き通った輝きが生まれます。

鳥取で七宝(しっぽう)の普及に務めた女性作家

日本を代表する七宝(しっぽう)作家として鳥取市で60年にわたって作り続けたのが、2025年12月に89歳で亡くなった岡垣幸得(おかがき・ゆきえ)さんです。


自然や風景を見て、そこで感じた感情を作品に表すのが幸得さんの七宝(しっぽう)

力強い色の表現、独特に切られた板の形、見る者を考えさせるタイトル…


作品がそこに在るだけで空気が変わる、それが幸得さんの芽吹いた作品です。

元々インテリアデザイナーだった幸得さん。
1度だけ技法を習ったといいますが、その後は独学で制作。

日展入選、鳥取市文化賞など数々の賞を授賞。日本七宝(しっぽう)作家協会常務理事なども務めました。


また、1966年には「岡垣七宝(しっぽう)研究所」(鳥取市)を開設し、これまで教えた生徒は600人を越えます。
七宝(しっぽう)の世界でその名を知らない人はいない、日本を代表する七宝(しっぽう)作家なのです。

作品を間近で見られる貴重な企画展が開催中

そんな岡垣さんの魂が込められた七宝焼きを見ることができるのが、
鳥取市歴史博物館 やまびこ館でで現在開催されている「岡垣七宝(しっぽう)研究所 60年の歩み~岡垣幸得先生を偲んで~」。

この記事では写真付きで魅力をお伝えしてきましたが、実際に見ると写真の何倍もの迫力

これまでほとんど公の場に展示されていなかったものを含め、約50点の作品を見ることができます。

最終日の5月31日(日曜日・14時~14時半)には、幸得さんの孫・みなみさんや、弟子の方々による展示解説も行われます。

孫のみなみさんは、幸得さんの一番近くで過ごしてきたからこそ、訪れた人に見てほしいものがあるといいます。

「重ねられた色や時間の中にはひとつひとつに(幸得)先生の想いが息づいていると思います。そういったものを、作品を通して感じていただけたらなという思いです。」と話していました。

企画展は今月31日(日)まで。七宝焼きの美しさに魅了されてみてはいかがでしょうか?

開催期間:2026年4月25日(土)~5月31日(日)
観覧時間:9:00~17:00(最終入館16:30)
会場:鳥取市歴史博物館 やまびこ館1階特別展示室 (鳥取県鳥取市上町88)
料金:無料

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