先週、24年ぶりの1ドル144円台という円安に見舞われた日本ですが、今年に入って急ピッチで円安が進んでいます。
今どうしてこんなに円安になっていることが騒がれているのか?
また今後私たちはどうしたら良いのか?を考えてみることにしましょう。
まず今回の円とドルの動きを見てみましょう。
2019年初めに109円だったものが、2021年6月ごろより徐々に円安方向に。
2022年に入るとその動きが加速し、一気に140円まで駆け上がっていきました。
そして、今や150円にもいくのではないかというような状況になってきています。
では前回144円台を記録した24年前(1998年)はどういう状況だったのでしょうか。
1995年1ドル80円だった超円高の時代が終わり、これまでの円高から円安へと向かい始め、1998年に向けてほぼ一直線に円安へそして1ドル150円に迫る勢いで円安となりました。
さらに、その前はどうだったかというと、ドル固定相場制の時代は1ドル360円に固定されており1973年より変動相場制となりましたが、その後は一貫して円高になっているのがわかると思います。
このように長い時間軸で円とドルの関係を見てみると、最近の30年間の間は約80円〜150円の間を行ったり来たりしている状況です。
長い目で見ればそこまで大きく逸脱したようには見えません。
しかし、今なぜこんなに注目されるようになっているのでしょうか。
問題は私たちの生活に直結するようなニュースが飛び交っているからです。
これまで円高になろうが円安だろうが、そこまで大きく意識する人は少なかったかもしれません。
ですが今回は、なんだかいろいろなものが値上がりしたりして気になっている人がとても多いのです。
私たちはこれまであまり円高か円安かなど気にすることなく生きていました。
それは日本が戦後経済成長と共に一貫して円高になってきているおかげかもしれません。
しかし、今の現状はこの30年間GDPはほぼ横ばい。
最近の円の価値は先進国の中でも独歩安。
こんな状況になってやっと感じ出したのです。
何かおかしい。
円が安い、いや他が高い?
日本円で買えるものが少なくなってきている。
そうです。円安の1番の問題点、
通貨の価値低下です。
これにより私たちの生活に必要なものがどんどん値上がりしているのです。
そりゃそうです。
食の自給率は40%程度、エネルギーの自給率は10%に満たないのですから。
多くの物を輸入に頼っている日本は日本円の価値が下がれば、輸入するものはほぼ高くなるのです。
経済学的にいうと、
単純に円安ドル高という目先の話ではなく、
円という通貨が世界の先進国の中で高いか安いか?
これを「実行レート」と呼びますが、この実行レートが下がっているから輸入するもの全般が高くなってしまっているという状況にあります。
加えて、なぜ円が安くなっているのか?ということです。
世界の状況なども関係はするのですが、日本が強ければ本来通貨が強くなるのです。
しかし、今日本はとても弱い国なのです。
日本円の発行量がどんどん増えています。
故安倍前首相は「お金はどんどんすればいいのです」とか「日銀は政府の子会社のようなもんです」と言っておられましたが本当にそうでしょうか?
海外の金融機関から見るととんでも無いことをおっしゃってるのですが、これがとんでもないことだと理解している日本人はどれほどいるのでしょうか?
もはや日本だけでは経済が成り立たないほど、グローバルな経済となっています。
江戸時代までならそれでもよかったでしょうが、今はもう日本の中が良ければそれで良い。ということでは通用しません。
では今後私たちはどうしたら良いのか?
ということですがこれまた簡単な話ではありません。
なぜなら今日本政府や日本銀行がやっていることは、世界のどこもやったことがないからです。
ですので想像するしかありませんね。
想像して頭の中でシミュレーションして、第2第3第4の対策をという具合に何個も対策を用意しておかなければいけません。
その代表的な対策として、1つはドル資産を持つということですね。
円が下がるということはドルは上がるということですので、これは対策としては有効と考えます。
もう一つは、現物資産を持つということですね
例としては金の現物を持つ。また、最近では仮想通貨なども有効ではないかと言われています。
自分のリスクの範囲で分散して円から他の資産に変えておくというのは大切なことかもしれません。