こんにちは。大山に一目惚れして大阪から鳥取に移住したMAIです。
前回に引き続き、デンマークのクリスマスのお話を綴っています。(前回の記事はこちら)
デンマークに2年間住んだ私が体験した北欧のクリスマス。
今回は、クリスマス当日の過ごし方や、とても驚いたデンマークのクリスマスツリーのことを紹介します。
本物のもみの木が定番のクリスマスツリー
さて、クリスマス本番が近づいたある日。
「今日はツリーを切りに行くよ!」と誘われるがままついて行った先はクリスマスツリーファーム。
デンマークでは本物の木を切ってツリーにすることが一般的なようで、ツリー用の木を栽培している農園があるんです。
海外では珍しくないことらしいのですが、日本ではなかなか見ない光景ですよね。
ツリーをセッティングしたら、飾り付け。
デンマークと、ノルウェーにも愛着を持つマーン一家では、ツリーに両国の国旗を飾りつけます。
そうこうしていたら出てきたのが不思議なバネのような金具。
「何に使うの?」と聞くと「キャンドルだよ」と。
よくわからないまま見ていると、その金具を木の枝に引っ掛けて、そこに1本1本キャンドルを差し込んでいく、ツリー用のキャンドルホルダーなんだそうです。
デンマークのクリスマスディナーって?
クリスマス当日はデンマークの伝統的なクリスマス料理が並びます。
デンマークで伝統的な料理といえば、Flæskesteg(フレスケスタイ)という皮がカリカリに焼かれたローストポークなのですが、マーン家のメインはアヒルの丸焼きでした。
普段からよく食卓に並ぶ小さなジャガイモのソテーも、この日はお砂糖とバターでキャメリゼされてクリスマス仕様。
赤キャベツを蒸して、甘酸っぱく煮たサラダのような付け合わせも定番です。
デザートは、お米を牛乳と砂糖などで甘く炊いたRisalamande(リゼラモン)という、簡単に言うとミルク粥のような甘い食べ物。
ボウルにたっぷりと入れたリゼラモンの中に、1粒だけアーモンドを隠しておき、それぞれの器に盛って食べ始め、アーモンドが入っていた人は大当たり!
プレゼントがもらえるというちょっとしたお楽しみで大盛り上がり!
ツリーにキャンドルを灯す!幻想的なクリスマス
クリスマスディナーを食べ終わったらみんなでツリーを囲みます。
なんとなく予想していましたが、クリスマスツリーのキャンドルに火を灯していくマーン一家!
1人ずつ順番に願い事や感謝の言葉を述べながら火を灯していくんです。
初めは驚きの余りただただ見つめるだけでしたが、
薄暗い中で火の光が灯っていくツリーは本当に幻想的で、息を呑む美しさでした。
その後部屋から一旦みんなで退出し、手を繋いで歌いながらまた部屋に入ってくるのですが、なんとその火の灯ったツリーの周りを歌い踊りながらぐるぐると回ります。
暗がりの中、キャンドルの灯りにつつまれて家族で過ごすクリスマスは、溢れるような温もりと愛しさを感じるひとときでした。
ツリーの点灯が終わったら、子どもたちが待ちに待ったプレゼントの時間が始まり、クリスマスの長い夜は続きます。
長い冬を楽しむ デンマークのHyggeの文化
デンマークの文化を語る上で欠かせないのがHygge(ヒュッゲ)という言葉。
私がデンマークに実際に住み、人や文化に触れて、
その言葉の意味をぴったりの日本語で表現するのはとても難しいと感じるのですが、あえて自分の言葉で表現するなら「ぬくもりと心地良さにつつまれた豊かな時間や空間」といったニュアンスが近いかなと思います。
本物のツリーに火を灯すという一見危険に思うようなことも、実はヒュッゲの文化そのものなんだと思います。
本物の木とキャンドルの火に包まれるクリスマスの温もりは、まさにデンマークの暮らしの文化が詰まった時間。
毎年12月頃になると思いを馳せるデンマークのクリスマス。
日本ではなかなか体験できない北欧のクリスマスのエッセンスと美しさを、この記事からちょっぴり味わってもらえると嬉しいです。