出雲市出身、日本人で初めてロイヤルアカデミーに入学した画家「石橋和訓」の展示会が開催!肖像画になれるフォトスポットも|島根県立美術館

島根県松江市にある島根県立美術館で開催中の展覧会「石橋和訓展」をご紹介します!

目次

企画展 島根から世界へー 生誕150年 石橋和訓展

島根県立美術館開館以来永く愛されてきたこの作品。
見たことはあるけど誰の作品なんだろう?という方が多いと思います。
描いたのは石橋和訓(いしばしかずのり)、日本人として初めてイギリス・ロイヤル・アカデミーに入学した画家で、なんと島根県出雲市出身なんです!
石橋和訓・生誕150年という節目に開催される、その画家人生を辿りながら全貌に迫る初の大規模回顧展です!

入口で迎えてくれたのは石橋和訓!
立派な口ひげを蓄えたオシャレな画伯という感じが伝わってきます。

ここからは、石橋和訓の生涯に沿って注目の作品を紹介していきます。

Ⅰ:立志 出生~渡英まで(1876-1903)

現在の出雲市佐田町の農家で生まれた石橋は幼少期から絵の才能を発揮。その才能を伸ばそうとした教師など周囲に支えられ、修業の場も松江・東京・京都と広げながら南画、洋画、日本画など多くの師のもとで技法を学んだとのこと。「和訓」という名前は、師の一人・滝和亭から一文字をいただいたそうです。

この頃に石橋が仰いだ師の作品も多く並んでいます。
若い頃に幅広く技法を学んだことが後の活躍につながっていったのではと思われます。

Ⅱ:飛躍 渡英~第1次滞英期(1903-1917)

27歳で渡英し、その後ロイヤルアカデミースクールの入学試験に見事合格!日本人として初めての入学者となりました。才能と努力はもちろんですが、留学の機会を得る・師を紹介してもらうなど知人・友人・師匠など人脈にも恵まれた石橋。自身の人間力の高さが画家人生の道をどんどんと切り開いていったのではと思われます。

この2章には、遠くイギリスのあの!大英博物館所蔵の作品も展示されています。
今もなおイギリスで大切に保管されている石橋作品が日本で見られるチャンスです!

写真右の作品、これは渡英し描いた最初期の作品といわれています。細やかな花びらの表現など日本画の技術はイギリスでも多くの人々を魅了していきます。

婦人が本を読む美しい横顔。白い肌は筆あとを残さず滑らかに、対照的に服や袖は敢えて筆あとを残し背景は荒いタッチにすることで美しい顔が際立っています。この時代にあって、女性が本を読む絵が描かれたことには学校教育による識字率の向上という背景も読みとれます。

奥に進んでいくと多数の肖像画が!どの方も気品と風格が感じられます。
石橋の肖像画に共通するのは、顔は繊細緻密なタッチが際立ち、服や背景は暗い色味で大まかにという描き方です。どんな性格だったのかな?どんな生き方をしたんだろう?とその人物像に思いを巡らせて見入ってしまいます。
ロイヤルアカデミーで強く影響を受けたのがジョン・シンガー・サージェント。石橋が肖像画で力を発揮する礎となります。
2章には、ジョン・シンガー・サージェントなど石橋が影響を受けた作家や同時期にイギリスで活躍した日本人の作品もたくさん並んでいます。自身も苦労している時代に、後から渡英して来た日本人のために人を紹介するなど、そういう純粋さ・優しさが周りから支えられる人間力の一つだったのかもしれません。

Ⅲ:凱旋 第1次帰朝(1918-1919)

3章に入ると多くの版画が目に飛び込んできます。

14年ぶりに帰国した石橋は、第一次世界大戦下のベルギー難民を救うためこれらの版画作品の展覧会を行い精力的にチャリティー活動を行ったそうです。
こうした活動がベルギーと日本の友好関係を築き、後の関東大震災時にはベルギーから支援いただくことにもつながっていったとのこと、ここにも石橋の人間力を感じます。

またこの頃、イギリス帰りの石橋に肖像画を描いてもらおうと犬養毅や渋沢栄一などの政財界要人たちからの依頼も広がっていったそうですが、これは友人たちが石橋の再渡英のための資金集めにその枠組み作りをしたとのこと。ここにも周りに支えられる石橋の魅力を想像することが出来ます。

Ⅳ:頂点 再渡英~第2次滞英期(1920-1923)

2年の日本滞在後再渡英した44歳の石橋は、ロンドン・パリ・日本等各国の展覧会で作品発表しその存在感を高め国際的に活躍したそうです。芸術家たちの紳士クラブへの入会、英国実業家との関係も深まり石橋に対する評価もピークに達していった時期のようです。

背景は暗く、顔は細やかな描き方は一貫しており、その人物の人となりについて想像をかきたてられます。この頃、肖像画を描いてもらうのは社会的なステイタスでもあったんでしょうね。

Ⅴ:栄光 第2次帰朝~急逝(1923-1928)

47歳でロンドンの友人画家と共に帰国、それは関東大震災の翌日だったためしばらく島根に滞在したことで出雲地方の風景画など地元に残ったものが見つかっているそうです。
国際的な画家となった石橋の目に映る松江の町が描かれている貴重な作品ですね。
その後東京にアトリエを構え精力的に制作活動を進めると数多くの政財界重鎮がモデルとして訪れ、画壇での存在感はさらに強くなり帝展で審査員を務めるまでになったそうです。

石橋が描いたのは肖像画だけでなく花鳥画も多く残っています。繊細なタッチで細かい部分まで見事に描かれ、これは滝和亭のもとで培った技法が基盤となっているのでしょうね。

48歳の時、明治神宮外苑聖徳記念絵画館壁画の揮毫を命じられるという名誉を受け準備を進めていた中、51歳で急逝したためそれは実現することはありませんでした。
もし完成していたなら現代での石橋の評価はもっと違っていたのかもしれない…と思うと残念ですね。

ロビーにはフォトスポットも!

展示会場前のロビーにはフォトスポットもあります。

誰もが肖像画のモデルになれるチャンス!まるで石橋画伯に描いてもらったみたいです!

またこの企画展にちなんでイギリス直輸入の雑貨がたくさん並んでいます。
ロイヤル感たっぷりの美しい器やエプロンなどゴージャスに勢ぞろい!

ちょっとした贈り物や母の日のプレゼントにもピッタリです!
アフタヌーンティーしたい気分になりますよ♪

企画展は2026年6月8日まで開催中。ぜひ会場で島根から世界へ羽ばたいた誇るべき郷土出身画家の作品を間近でご覧ください!

開催情報

島根から世界へー 生誕150年 石橋和訓展
会場:島根県立美術館
住所:島根県松江市袖師町1-5
開催期間:2026年3月6日~2026年6月8日
開館時間:10:00~日没後30分(展示室への入場は日没時刻まで)
休館日:火曜日(5月5日は開館)
電話番号:0852-55-4700
観覧料(当日券):一般1300円、大学生1000円、小中高生500円
<HP>

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