日頃は鳥取でローカル向け情報番組を制作している私。
同僚が出した企画が通って、全国放送で競りをテーマにした番組を作ることになった。
命がけで大間のマグロ漁師に密着した私。
⇒マグロ漁の話は前回の記事へ
今度は競走馬を育てる生産牧場の家族に密着することになった。
今、競馬ブームもあって、日本最大のサラブレッドの競り市場と言われている「セレクトセール」では、2日間で200億円以上の金額が動くという。
億単位という高値が付く仔馬は、資金力があって人も多く雇える大手の生産牧場が出品したものが多い。
しかし、北海道の日高地区にはおよそ600軒の中小牧場があり、大手牧場に負けまいと小規模ながら頑張っているのだ。
今回、私たちが取材したのは、その北海道日高地区にある下屋敷牧場という家族経営の小さな牧場。
牧場主の千尋さんと妻の千佳さん、牧場を始めた父の牧夫さん、母の麻子さんで牧場を管理している。
最初に千尋さんに会ったのは3月。
ざっくばらんな人柄と、「セレクトセール」にかける並々ならぬ意気込みに、取材するならこの人だと思った。
最初にカメラマンと取材に入ったのが5月初旬。
この時期は馬の出産があるかもということでこの時期を選んだのだが・・・
取材初日の挨拶に行ったら、なんとその日に仔馬が産まれそうだという。
その日は牧場の事務所に泊まらせてもらい、感動のシーンを撮影することが出来た。
競走馬の出産なんてなかなかテレビでも見たことない。
これは幸先の良いスタートだ!
マグロ取材でなかなか漁に出られなかった日々を思い出すと運が良すぎて怖かった。
翌朝4時に牧場の作業が始まったので、その様子を撮影。
GWだったがめちゃくちゃ寒かった。
牧場には365日休みがないという当たり前の事実も取材してみてわかった。
その後1週間ほど滞在したが、下屋敷家とはとても仲良くなった。
バーベキューにも呼ばれて、北海道の美味しい食材を頂いた。
野菜も貝もお肉もかなり大きくて、北海道を感じた。
実は、今回の取材で初めて北海道へ来た。
この3~4か月でこんなに北海道に行けるとは思ってなかった。
取材最初に産まれた仔馬が取材に行くたびに成長していて愛着が湧くし、毎日感動していた。
千尋さんと更に仲良くなり日高の居酒屋さんなどに2人で行くことも多かった。
競馬に関する話もしてくれて、普段ではなかなか聞けない裏話に興奮した。
そんな千尋さんは、2年前に1億円かけてアメリカから母馬を購入した。
家族経営の小さな牧場にとっては大勝負だ。
この母馬から産まれた仔馬を含めて、今年は2頭をセレクトセールに出す予定だ。
日本最大の競走馬の競りとは聞いていたが、想像していたよりもすごかった。
次回はセレクトセールの様子について紹介したい。
番組情報
「The競りメンタリー」
番組はTVerで配信中!
https://tver.jp/episodes/epzawynxg4
2022年9月24日(土)放送
《日本テレビ系列全国28局ネット》
番組公式ホームページ
番組放送に向けて取材裏話をつづっています。
→競りメンタリー【番組D日記】