【資産運用】円安の今だから将来のことを考えるきっかけに【IFAコラム】

2020年、麻生財務大臣(当時)が老後2000万円不足するかもしれない」という発言があり、多くの国民が戸惑い不安に駆られたことと思います。

老後について安心で全く心配していない、なんて人はあまりいないのではないでしょうか。
さて、なぜ老後が不安なのでしょう?

老後不安の多くは「お金」「健康」についてです。

健康については、多くの人は40歳過ぎたあたりから徐々に体のあちらこちらが痛くなってきて痛感します。体は歳をとってきてるのだ、と。
ですがお金についてはなかなか痛感する、なんてことはないですね。

なんとなく不安なのです。そして、その不安を解決する方法がなかなか見当たらないのも心配が消えない理由ですね。
さて、そういう不安はどうすれば減らすことができるでしょうか?

統計では、歳を重ねれば重ねるほど老後に必要な資金が足りないと感じます

20歳代では老後は2300万円くらいあれば良いと思っていたのが…
30歳代では2900万円、
40歳代では3000万円、
50歳代では3400万円、
60歳代では3600万円、、、

老後が近づいてくるにつれ徐々にリアリティが出てきて足らないと思ってくるわけです。
では本当はいくらあれば良いのでしょうか?

答えは、人によって必要額が違うです。

住んでる場所が違えば、欲しいものも違う。年金の額だって違うし、持ち家なのか借家なのかによっても違うのです。

そんなわけでよく「いくらくらい必要ですか?」と質問を頂きますが「人それぞれです」というのが私の答えです。

しかし、それでは資産を作っていきたいという人の道標になりませんので、あくまで例として考えていきましょう。

もし老後に毎月25万円が必要という夫婦がいたとします。
これまでご主人はサラリーマンで厚生年金に加入しており、奥様はパートで扶養の範囲で働いていました。
定年退職後は住宅ローンを払い終えた持ち家でゆっくり二人で生活していきます。
たまには旅行にも行きたいし、ご主人が好きな車も5年に一度は買い替えます。
健康にも留意して95歳までは二人仲良く生きていきたいです。
こういうご夫婦の老後が始まる時点での予想必要資産はいくらでしょうか?

支出は月25万円
収入は年金が月20万円
不足する差額は
月5万円✖️12ヶ月✖️30年間=1800万円

これに介護になったら?台風で家が壊れたら?孫が?
など様々な予定していない費用を考えるとプラス500万円程度を考えておかなければいけません。
ということは麻生さんが言っていた2000万円では不足する可能性があるということですね。
もちろんこれは今現在の試算ですので、税率が変わったり物価が上がったりなどなど様々な要因で金額は変動する可能性があります。最低限このくらいの費用が必要になると考えなければいけません。

さて、ではこの金額をどう貯めるのか?
ということになるわけですが1800万円って実は簡単に貯めることができます。
毎月5万円を30年間銀行に預けてください。
そうすると30年後には1800万円になっています。

ん?何?
そんな時間がどこにあるのか?
もう45歳だぞ?

それは大変です。
時間がない人にとってはこの30年間を短縮させないといけないということですね。
30年や40年、時間のある人は毎月貯蓄をするだけでもこの1800万円という金額は貯めることができるのです。
逆にこの30年間取れない人30年はあるけど 1800万円じゃ心もとない人は、結局運用という手段を取らなければいけないのです。

ここで少し違うお話をしようとおもいます。
日本人は勤勉勤労で額に汗水垂らして働くのが美徳だと以前にもお話しさせていただきました。
しかし本当にそうでしょうか?
もちろん働かなくても良いという話ではありません。世の中には2つの収入の取り方があるということを知っていただきたいのです。

一つは労働収入ですね。
普段、多くの人たちがお金を稼ぐ手段として自分の時間を会社へ提供しお給料という形で収入を得るという方法です。
そして、もう一つの収入を得る方法として労働で稼いだお金に働いてもらって、そのお金が稼ぐ利息を収入にするという方法です。

後者の収入の例えを1つあげるとすると、多くの上場企業は毎年配当をいうものを出しています。
仮に、ある会社の株式を1000株持っていたとします。
1年間の配当が20円だった場合、1年間で20,000円の収入を得ることができます。
この1000株の会社の株を購入するのに、1株800円であった場合、購入資金は80万円ですので、年間配当利回りは2.5%ということになります。(税金のことは今は考えないとします)

この株をずっと持ち続け、毎年2万円をもらい20年経過しました。その時に、この会社の株が2000円になっていたとします。
売却し手放すと2000円✖️1000株で200万円になっています。またこの間にもらった配当は2万円✖️20年間で40万円です。
結局、20年間で160万円収入を得たということになります。

こういう収入の得方を是非覚えて欲しいと思います。
もちろんこれは仮定の話なので必ずこうなるという話ではありませんが、資産形成の一例として知っておいていただけたらと思います。

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この記事を書いた人

平尾貴志のアバター 平尾貴志 有限会社クレイド 代表取締役

米子市出身。ファイナンシャルプランナー。
基本はお金や資産形成について発信しますが、たまには飲食やデジタルについても発信したいと思います。

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