年の瀬の手仕事、しめ縄づくり。自然の素材と、ご近所の名人を頼りに、作って迎えるお正月【鳥取田舎くらし】

こんにちは。大山に一目惚れして大阪から鳥取に移住したMAIです。田舎での日々の暮らしや趣味のコトモノなどを綴っています。

今年も年の瀬が迫ってきましたね。12月はイベントが盛りだくさんで大忙しですが、今回はお正月準備のひとつである「しめ縄」を手作りしたお話です。

目次

作って迎えるお正月

クリスマスが過ぎると、野菜の直売所やスーパーに門松やしめ縄が並び、一気にお正月モードになる町。
こうしたところで、熟練の作り手さんが作る美しい正月飾りを買うのももちろん素敵ですが、昔はみんな各々のお家で作っていたそうですね。

今では家でしめ縄を編む人は少ないようですが、コロナ前は、町内の地区ごとに公民館で「しめ縄作り」があり、毎年楽しみに参加していました。
あーだこーだ良いながら、見様見真似で作ったしめ縄は、多少不恰好でも愛着が出て、玄関に誇らしく飾ってみたりして。

その後開催されなくなったしめ縄作りですが、今年は思い切ってイベントをやってみよう!と思い立ち、地域のみなさんにご協力いただいて、「しめ縄作り」を開催しました。

材料は里山と田んぼから

さて、しめ縄作りに必要な材料集め。今回はベーシックな米藁を使ったしめ縄を編みました。

【材料】
・米藁(餅米の藁が柔らかくて扱いやすいそうです)
・ウラジロ
・ユズリハ
・橙(小さめのみかんで代用)
・半紙(紙垂:シデ用)
・麻紐
・爪楊枝
・輪ゴム

米藁は、餅米を作っている農家さんに譲ってもらえることになり、橙はみかんで代用。
ウラジロとユズリハの準備をすることになったのですが、「その辺に生えてるけん!」と言う地域のおじさん。「いやいや、その辺ってどこ?!そもそもウラジロってどれ?!」ということで、プロのしめ縄マスターに聞いて、ウラジロ採取へ連れて行ってもらいました。

本当になんでもないような道の脇に車を止め、ちょっと山際へ入ったところにあった、ウラジロの群衆。しめ縄作りをする方にはどうやら有名なスポットだそうです。ユズリハは、知り合いの家の庭に木があるということで、葉っぱを譲っていただきました。

素材の殆どが、自然のものでできている。買うだけだと考えないことも、作るとそんな当たり前のことにもハッとさせられたりしながら、いよいよしめ縄作りに挑戦です。

しめ縄作り いざ挑戦!

地域の名人にお願いして、しめ縄作りがスタート。
まずは、木槌で打って柔らかくし、不要な部分を取り除いた藁を、20本ほどを束ねて編んでいきます。釘を打った木の棒に引っ掛けて、束を2本に分け、それぞれをねじりながら2本を併せてねじっていく…これがなかなか骨の折れる作業で、力も要るし、難しい!

名人に教えてもらいながらなんとか形になっていきます。

輪っかにしたら、〆の子という脚のような部分を作って、ウラジロ、紙垂れ(シデ)、ユズリハ、みかんで飾ったら完成です。

文字にするとサラッと書けますが、実際には「長さはこれで良いの?」「なんだか編む方向が違った?」「これはどうやって付けるんだろう?」と、細かい作業や微妙な調整がたくさんあります。

これでいいのかな?と思いながら、飾りをつけるとなんだか格好良く見えるのが不思議。名人の手捌きには到底及びませんが、自分で編んだという体験はやっぱり特別ですね。

昔の暮らしに思いを馳せる

作業をしながら、「橙やユズリハは代々栄える、子孫繁栄を意味するらしいよ」とか「29日は二重苦という意味になるから飾っちゃダメ」…と、教えてもらうそれぞれの意味もとても興味深いんです。

自らの手で「作る」という楽しさだけでなく、その地域に住む人から教えてもらう「伝承」や、みんなでワイワイ言いながら「人と人が集う温かさ」がとても和やかで賑やかなひととき。

きっと昔の人は、おじいちゃんやおばあちゃん、お父さんお母さんからそうやって、一つひとつの意味や由来を作り方とともに暮らしの中で教わってきたのでしょうね。

時間に終われやすい忙しい現代ですが、たまにはこうした「人から人へ」を意識した時間が流れるといいなぁと心に留めた時間でした。

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この記事を書いた人

大阪市出身。10代の頃から田舎暮らしに憧れ、20代の海外生活を経て、30代で大山に惚れ込み鳥取移住!現在は2人のやんちゃ娘を追いかける日々。
大山の見える小さな民家での里山暮らしや、おうちのDIY、趣味のコトモノなど暮らしのあれこれを発信していきます♪
2歳以下の親子対象に、自然の中でゆったり過ごすサークル“うたたね”をのんびり主催しています!

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