冬の荒海で「生きるか死ぬか」を経験。マグロ初競りにかける大間最年少漁師に密着【番組D日記】

鳥取のローカルテレビ局に勤務する佐賀県出身の私。
競りをテーマにした番組を全国放送することになり、まずは、豊洲市場のマグロの初競りを目指す漁師を取材するべく青森県の大間へ

目次

大間最年少漁師・菊池和喜さんに密着するも海は大荒れ

取材を引き受けてくれた大間最年少漁師・菊池和喜さん

大間で1週間。
飲み屋を回って取材に応じてくれる漁師さんを探した結果、大間最年少の漁師、菊池和喜さんの船に乗せてもらうことになった。
→ここまでの話はコチラの記事へ

一旦鳥取に戻り、カメラマンや機材などの手配を整え、一週間後再び大間へ。
今回は撮影機材が多いため、車でカメラマンと片道20時間かけて移動

ちょうど道中の半ばくらい?富士山が正面に見えて思わずパシャリ。

途中、岩手で一泊し、2日がかりで大間に到着した。

これから2週間、大間に滞在して年始の初競りに向けた漁の取材をするのだ。

まずは行きつけのお店「北の居酒屋 海遊亭」で腹ごしらえ。

大間の「北の居酒屋 海遊亭」で出てきた
マグロ尽くしのメニュー

それにしても本場大間のマグロは美味い。全然飽きない。

でも仕事は順調にいかなかった。

何度か船に乗せてもらい、マグロを獲るシーンを撮影するつもりだったが・・・。

今年は例年以上に荒天が続き、全く漁に出られない

例年以上に荒天が続き、漁に出られない

することがないので大間の風景ばかり撮影していた。

漁に出られないことで、和喜さんと我々のフラストレーションも溜まっていった。

結局、鳥取から同行したカメラマンは、一度も漁に出ることなく1週間後に帰って行った

むなしい日々が続いたが、ついにその日はやって来た

年末の2日間だけ漁に出られそうだという連絡が和喜さんから入った。

年始も天気が悪いという予報が出ており、1月5日の初競りに向けた漁は、これが最初で最後となりそうだ

最初で最後のマグロ漁取材 生きるか死ぬかを経験した

そして12月28日

マグロ漁を何回も撮影している現地のベテランカメラマンと共に、和喜さんの船に乗る。

左が現地の佐々木カメラマン、右が私です。この時はまだ余裕でしたが・・・。

カメラマンも、冬のマグロ漁船は初めてだという。

沖に出ると・・・本当に過酷な海だった。

死なないよう必死で船につかまった。

和喜さんの船はそんなに大きくない。

その分、もろに波の影響を受けて大きく揺れる。

船室は運転手くらいしか入れないため、我々は振り落とされないように必死に船につかまる。

海に投げ出されたら一巻の終わり。
恐怖と寒さで船酔いは全くしなかった。

「酔うか酔わないか」ではない。
「生きるか死ぬか」だった。

こんな思いで漁師は海に出るのかと思うと、頭が下がる思いだった。

なんとか漁場に到着。

縄を張り、マグロが喰いつくのを待つのだが…。

その結果はぜひ番組を見ていただきたい。

漁が終わり港へ。
丸1日海に出ていたので、地上に立った瞬間、まっすぐ立てなくなっていた。

漁を終えた直後の写真。立ってるのがやっとでした。

常に波の上にいたので、三半規管がやられていた。

その後は、和喜さんの一族を巻き込んだ思いがけない展開が待っていた。

全国が注目する豊洲市場の初競りで一番を取るのは果たして!?

初競りの行われた1月5日、1カ月以上に渡る大間での撮影は終わった。

無謀にも冬のマグロ漁の撮影に挑んだ私たち。

他のテレビ局は、波の穏やかな秋までに取材を済ませるという。

知らなかった分、間違いなく他のテレビよりも良い画が撮れている。

そんな自信を持って、大間を後にした。


…もちろん車で。

大間周辺の観光地・仏ケ浦

マグロ漁の後は、北海道でサラブレットの生産牧場に密着。

合計200億円以上が動く日本最大の競りに挑む家族の物語だ。

サラブレット生産牧場編もご期待ください!

密着初日で奇跡的なシーンに遭遇する。
また次の記事をお楽しみに。

番組情報
「The競りメンタリー」
番組はTVerで配信中!
https://tver.jp/episodes/epzawynxg4

2022年9月24日(土)午後3時放送
《日本テレビ系列全国28局ネット》
番組公式ホームページ

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この記事を書いた人

<<競りメンタリー>>
2022年9月24日(土) 午後3時から
日本テレビ系列全国放送番組

取材裏話をディレクターが語ります!

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