明治時代、300人の鳥取県民が移住した福島・郡山市。猪苗代湖の水路開拓の歴史から、今も続く姉妹都市の絆。

突然ですがみなさん、福島県郡山市にある「猪苗代湖(いなわしろこ)」って行ったことはありますか?

日本で4番目の大きさを誇る猪苗代湖

実はこの猪苗代湖、なんと…鳥取と深~い関係があるんです!

今回は、鳥取市と姉妹都市である福島県郡山市まで行って、現地でその歴史の足跡をたどってきました!

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目次

明治時代、鳥取の人たちが郡山を開拓していた!?

なぜ、鳥取市と郡山市が姉妹都市なのか…。
そのルーツは、明治時代までさかのぼります!

武士の時代が終わり、旧鳥取藩の士族たちは職も土地も失って、
「これからどうやって生きていこう…」という不安な時代を生きていました。

そんな中、政府が進めていたのが、福島県郡山市の南東部にあるの安積(あさか)という荒れ地の開拓事業。

水もなく、農業も難しそうな場所。
そこへ、「私たちが行く!」と、明治14年、約300人の鳥取士族が郡山へ移住したんです!

猪苗代湖の水が、郡山を潤した

郡山のシンボルのひとつ「磐梯山(ばんだいさん)」

開拓には水が必要。でも水が少なかった安積地域…。
そこで大きな役割を果たしたのが、猪苗代湖です!

猪苗代湖にはかわいい白鳥とかめの形をした遊覧船があったので乗ってきました~!

現在は白鳥のみ運航しています!

きらきら光る水面がとっても綺麗でしたよ♪

「東北のお伊勢さま」に鳥取の証が!?

つづいて訪れたのは、「開成山大神宮(かいせいざんだいじんぐう)」。

ここは、伊勢神宮から正式に分霊を迎えた、全国で唯一の正規な伊勢神宮の分霊神社なんです!

福島で初詣の参拝者数ナンバーワンを誇る、地元ではとっても有名な神社です。

宮司の宮本さんに境内を案内していただくと…
なんと!鳥取と書かれた石を発見!!

これは、開拓で移住してきた地域名が刻まれた石で、実際に鳥取から運ばれてきた石なんだそう。
まさか郡山で“鳥取”と出会えるとは…!とってもテンションが上がりました♪

安積野開拓顕彰会によると、
鳥取市からは86戸の家庭が郡山に移住したそうです!
(69戸と記載された資料もあります。)

ちなみに郡山では、小学校の授業で鳥取士族が開拓に関わったことを学ぶんだそうです!
…正直、鳥取にいると知らない人の方が多いかも?

開拓の際に使用された水路が残っていました!

当時は水の取り合いでけんかになることも多かったそうですが、この神社で開催されたお花見やお祭りを通じて、地域の人たちが仲良くなっていったそうです。
神社が“人と人をつなぐ場所”になってたんですね。

鳥取の“宇倍神社”が、郡山にも!

さらに感動したのが…郡山にある「宇倍神社(うべじんじゃ)」!

鳥取市ではおなじみの、あの行列のできる初詣スポット!
実はその宇倍神社の分霊が郡山にあって、当時の開拓民たちの心の支えになっていたんです。

知らない土地での生活は、きっとつらいことも多かったのではないでしょうか。
だからこそ、鳥取の神さまに守ってもらおうと、この神社を建てられたんだと思います!

鳥取の人たちがここで空を見上げて故郷を思っていたかもと思うと、なんだか胸がじんわりあたたかくなりました。

そして…ここでも驚きのエピソードが!

なんと1995年、鳥取女子高校(現在の鳥取敬愛高校)の生徒と先生がラーメン研究で郡山を訪れた際、ここで“移住者が記した資料”を発見!

その資料がきっかけで、2005年に鳥取市と郡山市は正式に姉妹都市になりました!

地名にも鳥取の名残が!

宇倍神社から歩いてすぐの場所で、十四戸(じゅうよんこ)」というバス停を発見!
実は鳥取から移住してきた14戸の家族が住んでいたことに由来する地名なんです。

この付近には、ほかにも「十戸」「三戸」などの地名があって、リアルな“移住の歴史”を感じることができました♪
郡山の町には、鳥取の足跡が今もちゃんと残っているんですね。

開拓地のひとつ「開成山公園」
ポケモンのラッキーも発見!

最後に訪れたのが、開成山大神宮のすぐ近くにある開成山公園」。

ここも、当時の開拓で池が整備された歴史ある場所!

園内には開拓に尽力した人々のモニュメントもありました!

とても広い公園なんですが、園内の一角には、「ラッキー公園の愛称で親しまれている
ポケモンの「ラッキー」がモチーフとなった可愛い遊具も!

とっても可愛くて、ついつい写真をいっぱい撮っちゃいました!

郡山市のご当地グルメ「クリームボックス」
ミルキーなクリームが食パンにたっぷり塗られています♪

大人も楽しい空間でしたよ〜!

鳥取から郡山へ、行ってみて感じたこと

正直、郡山に行くまでは姉妹都市といわれてもあまり実感がありませんでした。
ただ、行ってみると、地名や神社にちゃんと“鳥取の足跡”が残っていることに感動!
場所は600キロも離れてて、文化も雰囲気も全然違いますが、鳥取を感じられたことがとてもうれしかったです!
また、郡山が発展していった過程に鳥取の人が関わっていたことを知り、誇らしい気持ちで1泊2日の旅を過ごすことができました!

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夏休みのおでかけにぜひ訪れてみてはいかがでしょうか♪

鳥取市姉妹都市記念事業のお知らせ

2025年、鳥取市は岩国市と姉妹都市提携を結び30周年、郡山市とは20周年を迎えます。
これを記念して、姉妹都市提携のきっかけとなった歴史的なつながりについて紹介するパネル展が鳥取市内各所で巡回展として開催されます!
各地と鳥取市との意外な、そして深~いつながりをこの機会に学んでみてはいかがでしょうか。

巡回パネル展(観覧無料)

8月11日(月)~8月26日(火)
場所:鳥取市役所横 麒麟Square 1階情報スペース

9月5日(金)~9月18日(木)
場所:鳥取市立歴史博物館

10月3日(金)~10月22日(水)
場所:鳥取市立中央図書館

提供:鳥取市

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この記事を書いた人

鳥取市出身。na-naのライター兼SNS担当です!
地元大好き!
山陰の素敵なところをたくさんの人にお伝えできるようにがんばります!!

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