小学4年生で出会った“クライミング”で、世界に挑戦する鳥取の高校生。夢は日本代表に!【鳥取ジュニアアスリート】

東京2020オリンピックで初めて正式競技に採用され、注目が高まっている「スポーツクライミング」

この競技で、今世界に挑戦しているのが、鳥取市の鳥取城北高校に通う3年生、藤田楓さん。

2025年7月に、ユース世界選手権に日本代表として出場。これからの活躍が期待される、藤田さんの練習の様子を取材させてもらいました。

目次

ユース世界大会に日本代表として出場
鳥取県の高校3年生・藤田楓さん

普段練習をしているのは、鳥取県倉吉市にあるクライミングセンター。

そもそも、この壁にじっとつかまるだけでも難しいのでは…と思える傾きの壁を、重力がないかのように、軽々と登っていたのが、高校3年生の藤田楓さんです。

時には、指先だけで体を支え、
飛ぶように移動することも。

藤田さんが、得意とするのはスポーツクライミングの中でも「ボルダー」という種目。

そもそも壁に設置されたホールド(カラフルな石のような突起)を登る競技「スポーツクライミング」には、「スピード」「リード」「ボルダー」の3つの種目があります。

左が「スピード」、右が「リード」用の壁
どちらも高さ15メートル
(倉吉スポーツクライミングセンター)

スピード」はその名の通り、一番上の目標に早くたどり着くスピードを競う競技
「リード」は、15メートルほどの高い壁を、時間内にどの高さまで登れたかを競う競技。

ボルダー種目の壁は高さ5メートル

そして、「ボルダー」は壁の高さは4~5メートルほど。毎回、壁の形やホールドの位置が異なっていて、初めて見る壁を制限時間内にいくつ登り切れるかを競う競技です。

クライミングというと、指先だけで体を支える筋力や、辛そうな姿勢を維持する耐久力に注目がいっていましたが、特にボルダー種目では、「どう登っていくか」を考える力や発想力も重要です。

壁にたくさんのネジ穴のようなものがあるのは、
ホールドの位置を変えるため

練習場にある壁も、定期的にホールドと呼ばれる突起物の位置が変えられ、その都度、この壁をどう攻略していくのかを考える練習をしているそう。

登れなかった壁を、どうやったら登れるのか考えて何度も挑戦し、一番上に登れた時が一番うれしい」と、クライミングの魅力を伝えてくれた藤田さん。

普段の生活でも、建物を見ては「この建物ならこう登ったら上まで登れそう」と思うことがあるそうです。クライミング選手ならではの考え方です…!

クライミングに出会ったのは、小学生の時の鳥取ジュニアアスリート発掘事業!

もともと、身体を動かすのが好きで、小さいころからアクロバットのような動き方が得意だったという藤田さん。幼いころは体操の内村航平さんに憧れて、体操選手になりたい!とも思っていたそう。

身体を使うことが得意だったことから、自然の岸壁を登るロッククライミングや、それを競技にしたスポーツクライミングにも興味をもつように。しかし、周りに競技者もおらず、またどう習えばいいのかわからず、実際にやってみる機会はありませんでした。

そんな時に、小学校で配られたのが、鳥取県が行う「ジュニアアスリート」というプロジェクトのチラシでした。

鳥取ジュニアアスリート発掘事業とは?

鳥取ジュニアアスリート
トレーニングの様子

2014年に鳥取県が始めた「鳥取ジュニアアスリート発掘事業」
鳥取から、全国、世界で活躍する選手を育てることを目的にしたもので、主に競技人口が少なかったり、普段体験しにくい競技が対象となっています。

選考・トレーニングの流れ

この事業では、毎年小学4年生を対象に、体力テストなどで選考を実施。選ばれた子どもたちは、その後1年を通して、専門の指導員による育成プログラムや、対象競技を体験。
小学5年生の年度末に、1つの競技を選び世界で活躍する選手を目指していく、というものです。

藤田さんは学校で配られたチラシを見た時に、対象競技の一つとしてスポーツクライミングがあるのを発見。「これに参加すればクライミングをやってみることができる!」と思い、ジュニアアスリートの選考を受けたそうです。

選考後は、たくさんの競技を体験することもできましたが、スポーツクライミングがしたい!とまっすぐにこの道へと進みました。
「ジュニアアスリートがなければ、スポーツクライミングの選手にはなれてなかった」と、自分にとって大きなきっかけであったと話していました。

ジュニアアスリートの体験会で初めてスポーツクライミングをした小学生の時から、今でも変わらないのが“クライミングが楽しい!”という気持ちなんだそうです。

目指すは、日本代表!

競技を始めてから、国内の大会で着実に力を付けていった藤田さん。

2025年7月にフィンランドで行われた世界ユース選手権に日本代表として出場。初めての国際大会への参加であり、出場を目標としていた大きな大会でした。

世界ユース選手権2025
U19日本代表として出場する藤田さん
(写真:本人提供)

さらに、この大会では決勝に進出し、5位入賞という大きな結果も残しました。

「出場することを目標としていたので、まさか決勝に行けると思っていなかった。世界大会の会場の雰囲気を味わい、決勝まで全部の課題(コース)を知れたことが、大きな経験となって成長につながると思う」と振り返ります。

世界ユース選手権2025(写真:本人提供)

今後の目標は、ユースではなく全世代を対象とした「日本代表」になること

練習中、より難しい課題に挑戦するときほど、楽しそうな表情をしていたのが印象的だった藤田さん。
小学生の時に出会えた、これ、というものを、今でも楽しんで突き詰めていっている姿に、見ているこちらまでワクワクさせてもらいました!

鳥取ジュニアアスリート募集中!

鳥取県では2025年度のジュニアアスリート候補生募集を実施しています!
「スポーツが好き」「身体を動かすのが得意」「普段体験できない競技に挑戦してみたい」という、どんなきっかけでも、まずはエントリーしてみませんか?

応募方法:申込用紙を郵送またはメール送付。
〆切:2025年9月30日
※詳しくは、鳥取県ホームページ「鳥取ジュニアアスリート候補生の募集」へ。

候補生になったら…
①小学5年生の期間、専門家による月1回程度のトレーニングやスポーツ教育・スポーツ食育の講義を受けられる(指導料は無料)。
②全国や世界で活躍してきたトップアスリートの指導を直接受けられる!
③対象となっている18競技の体験会に好きなだけ参加できる!

また、昨年までは鳥取県内の小学4年生に限られていましたが、将来的に鳥取県での通学を考えている周辺地域の児童も応募が可能となっています。

今回、鳥取ジュニアアスリート出身の選手たちを取材させてもらいましたが、どの子も最初のきっかけは「楽しそうだったから」と、意外と気軽に応募していたのが印象的でした!
「運動が好きだけど、どのスポーツをしようか迷っている…」という子どもも、この事業であれば好きなだけ気になる競技にチャレンジすることも!
鳥取県のホームページでは、対象競技や先輩たちの活躍についても紹介されているので、チェックしてみてください。

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