声優界の帝王・森川智之とのナレーション収録裏話！トム・クルーズと野原ひろしが同時に現れた日【特別番組「いとしのヘリポート」】

特別番組「いとしのヘリポート」

2025年11月22日(土)に日テレ系で全国放送するテレビ番組「いとしのヘリポート」！
テレビ史上初!?ヘリポートだけを追いかける異色バラエティ。「Ｈ」マークに込められた想いに人気芸人が迫ります！

この番組のナレーションは、『クレヨンしんちゃん』の野原ひろし役や、トム・クルーズの吹き替えを担当していることで有名な声優の森川智之さん。この記事では、番組を制作した日本海テレビ（放送エリア：鳥取県、島根県）のスタッフが、ナレーション収録の裏話をお届けします！

森川智之さんのナレーション収録裏話！

東京・渋谷。
日本一人口が多い大都会で、日本一人口が少ない鳥取県から上京した私は一人の人物を待っていた。

「お疲れ様です、日本海テレビの神田です！」
声をかけた私を驚いたように見上げた彼は目が合うとすぐ笑顔になり「わざわざお出迎えすみません！」と明るく答えてくれた。

【声優界の帝王】と呼ばれている森川智之さんである。

森川さんはエレベーターに乗るなり「いやぁ、面白いVTRでしたよ！まさかヘリポートで番組を作るなんて！京都のおじいちゃん凄かったなぁ…」と楽しそうに語った。

今回私が作ったのは『いとしのヘリポート』という全国特番。
「ヘリポートを作っちゃった人たち」に密着した異色のドキュメントバラエティ番組で、強烈な個性を持った面々に取材する中で、地元に対する彼らの熱い想いが見えてくるという内容だ。

半年前、弊社では実に2年ぶりとなる全国特番ということで「ナレーションを誰に頼むか？」という問題が浮上。
「出来れば読みが上手くて全国区の人が良い」という話になり、以前挨拶したことがある森川さんの事務所にダメ元で連絡を取ってみた。
「こんな小さなテレビ局が作る、得体が知れないヘリポートの番組の仕事なんて受けてくれるのだろうか…？」と懸念していたが、事務所から「このお仕事、森川がとても喜んでいます！」という予想外な返答が返ってきて、あれよあれよと話は進み…
気づいた時には一緒にエレベーターに乗っていた。

「森川さん入りまーす！」そう言いながらスタジオの重い防音扉を開くと、我がチームの面々が直立不動で出迎えていた。
私と同年代の30代後半のディレクターとＭＡマンは、『SLAM DUNK』や『ONE PIECE』で育った世代だ、気持ちはよくわかる。

物々しい出迎えに「おぉ！」と少し戸惑い気味に笑った森川さんと名刺交換を済ませ、打ち合わせ。
我々が森川さんに出したナレーションのオーダーは「バラエティ番組なので明るく楽しそうなトーンで、最後の方は真面目なブロックがあるのでそこだけ真面目なトーンでお願いします」という内容だ。

いざ森川さんが発声するとバッチリ決まったバラエティのナレーションにスタジオがドッと沸く。
子育て真っ最中のMAマンは「クレヨンしんちゃんの野原ひろしが居る！！！」と盛り上がっているし、対談動画の撮影用に連れて来ていた日本海テレビの中尾アナウンサーは「勉強になる！！！」と私の横で鼻息を荒くしている。
騒がしい連中である。
ちなみに私はなぜか震えながら拍手していた。

そして、真面目なトーンのナレーションブロックがやってきた。
先ほどまでのバラエティ風のナレーションと打って変わって、鳥肌が立つようなイケボが響き渡る。
例のごとくドッと湧くスタジオの中で、私は「トム・クルーズだ！！！」と叫んでいた。

森川智之と言えばトム・クルーズの吹き替えでも知られ、なんとトム本人からも【公認声優】というお墨付きをもらっている声優である。
特にトップガンを１も２も何度も見直している私にとって特別な声なのだ、それは叫ぶに決まっている。
【声優界の帝王】の二つ名に恥じない声色の幅は、是非番組でご確認頂きたいポイントだ。

２時間近くに渡る収録も終わり、こうして番組に魂が吹き込まれた。