こんにちは。
インテリアアドバイザーのアダチツヨシです。
みなさんは、人間の心理が「色」に影響を受けることはご存知でしょうか?
専門知識はなくとも、「赤=暑さ」、「青=寒さ」、「オレンジ=活発」など、何となく感覚では理解していらっしゃるかと思います。
以前に照明のお話でもご紹介したことがありますが、「空間」と「色」にも強い結びつきがあります。著名な北欧家具デザイナーである「ヴァ―ナー・パントン」も、“色彩”について深く学び、自身のプロダクトや空間デザインに活かしたそうです。
今回は、「色の使い方で空間にメリハリをつける」方法を、私の実家のリフォーム事例を交えてご紹介したいと思います。
昨年、築55年の実家のDK(ダイニング・キッチン)をリフォームしました。
DKについてはかつて一度リフォームをしていましたが、それももう40年以上前の話です。そんなこともあって、あちらこちらに老朽化が著しい状態でした。
そして、今回のお話の中心になるのが、そのDKに隣接するように壁を1枚隔ててあった洗面所についてです。
とても窮屈な上に、間口にも一段段差があり、高齢者が暮らすには決して使い勝手が良いとは言えない環境でした。
タイル張りの壁面もひび割れでボロボロ・・・
狭さの根源である、DK側の壁を取り払って、DKと一体に繋げることで利便性を高めることもこのリフォームの大きな目的でした。
そして、一度もぬけの殻となった洗面所。
でも、何となくDKと洗面スペースを全く同じ空間とすることには抵抗がありました。
「自然な印象で繋げながらも、別空間である印象もつくりたい。」
そこで取り入れたのが「アクセントクロス」です。
アクセントクロスは、部屋の一部分にだけ違う色や柄のクロスを取り入れて、視覚的に強調ポイントをつくる方法。壁の一面だけをアクセントとする取り入れ方が多く見られます。
今回のリフォームでは、ひと続きの壁面でクロスを張り分けることで実践してみました。
DK側は広い印象にするため鮮やかなホワイトのクロスを採用し、洗面スペース側はグレイッシュなライトグリーンを選びました。
植物を飾ることが好きな母。色を変えることで空間を仕切りながら、2つのスペースに何となくつながりを感じるイメージにするために選んだ色です。
かつてのDKと洗面所の仕切り壁はなくなり、構造上残さなければならなかった木柱は、かえって温もりを感じるインテリアとしての役割を果たしました。
近年、クロスのアレンジは手軽になってきています。
さまざまなバリエーションから選ぶことができ、DIY感覚で楽しむ方も増えてきています。
〈Decor Interior Tokyoさんのページより〉
ここで、もうひとつ別の視点で「色の使い方で空間にメリハリをつける」方法をご紹介します。この方法はもっと手軽で、ちょっとした空間でも取り入れることができます。
例えば、何となくデスク、棚、キャビネットがずらっと並んでいるこんなスペース。
木の床に木製家具が並んでまとまりはありますが、何だか物足りない感じがします。
ここにサイズ1畳ほどのラグを敷いてみます。
オレンジが鮮やかで、一見、主張強すぎ?と心配になる色味ですが・・・
すると、ぼや~っと並んでいた家具が、きっちりと仕切られたような印象に。
視覚的に境目がつくれるのに加え、アクセントカラーを入れるとよりその輪郭が強調されます。
壁や床はお部屋の中でも最も広い面積を占めます。
ベタっとした印象になりがちなところにこそ、視覚的なメリハリをつけてやることで、動きを感じるちょっと特別な空間が生まれるのです。
ぜひみなさんも、お部屋で色を使った空間仕切りを実践してみてください!
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