アメリカ・ロサンゼルスで、ハリウッドリポーター兼、出世稲荷神社アメリカ分祠で神主を務めています。年明けから起こった大規模な山火事。現地の状況をお伝えしています。
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ロサンゼルスで立て続けに発生している山火事
ロサンゼルスで立て続けに起こっている山火事。
025年1月8日(水)夜に発生したサンセット山火事は。チャイニーズ劇場などがある、いわゆるハリウッド観光地のすぐ隣のエリアで、ハリウッド・ヒルズと呼ばれているところ。セレブのハイキングやジョギング、ジャスティン・ティンバーレイクが犬の散歩をしていたなどの目撃情報の多いハイキングコースがある場所です。 チャイニーズ劇場、そして、アカデミー賞授賞式会場のドルビー劇場、野外音楽堂ハリウッドボウルに避難勧告が出ましたが、約1日で鎮火に成功しました。
そして、1月9日、午後3時半頃からは、マリブの北にあるカラバサス近くで山火事が発生。このエリアにはジェニファー・ロペス、ウィル・スミス、キム・カーダシアンらの家があります。かつてその地域に住んでいた友人にメッセージすると、子どもの通っている高校に避難警告が出て学校に迎えに行ったが、帰路が大渋滞だったと返事が来ました。私がお願いしている会計士も該当エリアなので心配でメッセージしましたが、返事がなくて心配が募っています。
私の自宅は山火事からは距離があるので、直接の被害はありませんが、外に出ると煙いし灰が降っています。また、今日(1月9日)午後には携帯にアラーム音とともに緊急メッセージが入ってビビりました。見ると、すぐに避難するよう書いてありますが、うちの近所では火事は発生していないので、テレビをつけたら該当地域以外にも緊急メッセージが誤発信されたと報道。約20分後に「先ほどのメッセージは無視してください」というメッセージが来て安心しました。ほんの10分くらいでしたが、かなりテンパったので、被災した人の心境を少しだけ体験しました。
山火事の影響でハリウッドの各イベントもキャンセル、または延期。私が所属するCritics Choice Awardsも今週の日曜12日から26日に授賞式が延期されました。テレビシリーズの撮影も一時休止が発表されました。ロサンゼルスと近郊の学校は休校を続々と発表しています。山火事の直接被害はなくても、空気が良くないとしての休校です。
アンソニー・ホプキンス、ジョン・グッドマン、マイルス・テラー、ジェフ・ブリッジス、ビリー・クリスタルの家も焼け落ちました。マイルスは一昨年買ったばかりの家。
パリス・ヒルトンは、テレビのニュースで自分のビーチハウスが焼け落ちるライブ中継を見たとソーシャルメディアに投稿。「自分の家が焼け落ちる様をテレビの中継で見るなんて誰も経験したくないもの」とコメントした後、自宅について「フェニックス(長男)が初めて立った場所。ロンドン(11月に生まれたばかりの次男)とのたくさんの思い出を作ろうと夢見ていた場所。朝起きて、ホームと言える場所がなくなっていることを知るのは本当に心が痛い」と綴っている。
映画『恋人達の予感』やアカデミー賞授賞式の司会でお馴染みのビリー・クリスタルも自宅を焼失。「私達が目撃し、経験したこの計り知れない惨状は言葉で言い表せません。この悲劇で家や事業を失った友人たち、近所の人達のことを悲しく思います。ジャニス(妻)と私は 1979 年からここに住み、子供たちや孫たちを育ててきました。私たちの家は隅々まで愛で満たされていました。奪うことのできない美しい思い出です」と声明を発表した。
CNNのインタビューに答えた77歳になるジェームズ・ウッズは、「自宅のプールで泳いだ翌日に、それらが全部失われた……。大混乱で、まるで地獄のようでした。私たちの周りではどの家も燃えていました」と話し、近くに住む94歳の認知症の独居老人が自宅に取り残されているのを知り、その老人の避難を助けた事も打ち明けた。そして、「(約40歳年下の)妻の8歳になる姪が家の建て直しに使ってと貯金箱を差し出したんだよ」と、涙ぐみながら言葉を詰まらせて話していた。
アーノルド・シュワルツェネッガーの元妻マリア・シュライバーは、自宅があった周辺の動画を投稿。「悲痛で、衝撃的で、信じられない。すべてがなくなってしまった。私たちの街、私たちのレストラン。私たちの友人は皆、すべてを失いました。私たちは避難し、安全です。しかし、人々はすべてを失いました」と書き込んでいた。
アンソニー・ホプキンスは、動画投稿サイトに頻繁にアップしていた自宅を焼失。その家は、数年前のマリブの山火事でギリギリ難を逃れた後に引っ越した家だった。彼はロンドンの家を焼失した経験もある。
日系R&Bシンガーのジェネイ・アイコも、7歳で自宅が全焼した経験を持っているが、今回、またもや自宅が焼け落ちた。
ビヨンセの母親、ティナ・ノールズは、「そこは私のお気に入りで、聖域で、神聖な幸せな場所でしたが、それが今はなくなってしまいました!」と投稿。
また、パサデナ北部のアルタデナの山火事の被害に遭ったマンディ・ムーアは、避難中の動画を投稿。「昨日、手遅れになる前に家族とペットと共に避難できたことに感謝します。そして、私たちを迎え入れ、服や毛布を持ってきてくれた友人たちにも限りなく感謝しています。正直言って、多くのものを失ったことにショックを受け、呆然としています。私の子供の学校はなくなってしまいました。私たちのお気に入りのレストランは、崩れ落ちました。たくさんの友人や愛する人たちがすべてを失いました。私たちのコミュニティーは崩壊しましたが、共に再建を目指します。被災したすべての人、そしてこの状況を制御しようと最前線にいるすべての人に愛を贈ります」と書き込んだ。また、翌日には焼失した家の写真も投稿している。
アルタデナに住む友人の家の通りでリポーターが生中継していたので(まさかそこまで火の手が来ているとは思っていなかった)、友人に連絡したところ「自分の家は何とか建っているが、周りはほとんど焼け落ちている」と返事。「携帯のシグナルが1本しか立っていないから、電話通話は無理」というメッセージで終わりました。建物だけでなく、携帯の電波塔も焼け落ちたんだと、その時、気づきました。アルタデナの山火事は、消防や警察、テレビやラジオの電波塔のあるエリアまで火が迫っていましたが、何とか食い止めたようです。
消防活動による水質汚染と停電による浄水ができないため、被災地と周辺地域では、水道水の飲用と調理を禁止しています。煮沸しても人体に被害が及ぶそうです。ロサンゼルスとその近郊の住人はできるだけ外出を控え、外出時にはマスク着用を強く勧めています(コロナ時に購入したマスクが大活躍!)。
カリフォルニア州史上、最大の被害が出ているパシフィック・パリセイドの山火事は、1月9日23時現在でわずか6%しか鎮火していない……。