今回は山陰を飛び出して
岡山県真庭市周辺に行ってきました♪
隈研吾が設計監修したスゴイ施設
GREENable HIRUZEN
2021年の夏、岡山県真庭市の蒜山に
新しいシンボルとして“里帰りした”
【GREENable HIRUZEN】。
隈研吾さんが設計監修した施設。
敷地内にはパビリオンやミュージアム、
ショップなどが併設されれています。
箱のような形をしたパビリオンには
「風の葉」という名前がついており、
屋根はあるけれど優しい太陽の光が
差し込み、さわやかな心地よい風の流れを
感じることができる空間になっています。
また、「風の葉」の木材には
真庭市のヒノキが使われており、
CLT(=直交集成板)という技術が
使用されています。
CLTとは?
クロス・ラミネーティッド・ティンバーの
略称。木材の繊維の向きを合わせた木材を
縦向き・横向き交互に重ね合わせて貼り合
わせる工法。このようにすることで、強度
や断熱性・耐熱性に優れ超高層建築なども
可能にしました!
ちなみに、鳥取県の鳥取砂丘の前にできた
「タカハマカフェ」にもこのCLTの技術が
使われていました!
里帰りしたGREENable HIRUZEN
この「GREENable HIRUZEN」は
2019年から「CLT PARK HARUMI」として
東京都晴海にあった施設だったんです!
木材と鉄骨を組み合わせて作ったこの施設
は、一度分解され、そのままの素材を組みなおして蒜山高原に再生されたそうです。
真庭市の木材とCLT技術が使用されたこの
建物がこの土地に戻ることで「里帰り」や
持続可能な暮らし等の多くのメッセージを感じることができます。
建物内部はどうなってる?
ミュージアムに潜入!
一歩中に入ると、
ふわっと木の香りが広がる館内。
ガラス張りの窓から自然の明かりキラキラ
と差し込みと木のぬくもりを感じます。
館内は年に3回企画展が入れ替わり、
毎回新たな発見をすることができます。
また、各地のアーティストが手掛けた作品
を持ち寄って意見を交換したり、
地元小学生へのワークショップなどを行い
自由でのびのびした発想の作品作り等も
行われています。
隈研吾建築資料館
日本だけでなく世界各地で
出会うことができる隈研吾さんの建築物。
建築物を建てる前に作成する『建築模型』を間近で見ることができるんです!
東京・高輪ゲートウェイ駅
スターバックスコーヒー
大宰府天満宮表参道
中を覗いてみるとその空間が過ごす人々の
声が聞こえてきそうな風景が広がっていました。
また、図書館については一冊ずつ表紙が
ついており、こんな細かいところまで
忠実に再現されているのに驚き!
所々に現れる黒猫
建築模型を見ていると所々にいる黒猫。
ネコのいる風景だけでなく、ネコ目線で
見た空間もイメージしてるんだとか!
持続可能な社会を想うショップ
『GREENable HIRUZEN』のミュージアムに併設されているショップには全国各地から集まったこだわりの商品が並びます。
こちらのショップでは『SDGs』や
『自然循環』にこだわった製法で作られた商品を厳選しています。
RI-CO BIZENシリーズ
岡山県の名産品である備前焼。
その作品の1割は焼いたときにひび割れなど
が発生し、販売できない商品は埋め立てられて処分されてきたそうです。
廃棄されてしまう備前焼はもったいない。
また、備前焼の元となる“土”にも限りが
あります・・・。
破棄されるはずだった陶器を粉々にして
土に混ぜて、型にはめて焼くことによって
新しい形になったのがコチラのマグカップ
備前土には昔から
「水が腐らない」「酒がおいしくなる」と
言い伝えがあります。コーヒーの味わいについての調査も行ったところ・・・!
「コーヒーの味がまろやかなる」という
データが出たそう!
環境もヒトも幸せになる素敵なマグカップでした♪
こんな茅葺屋根見たことない!?
サイクリングセンター
『風の葉』のパビリオンの裏手にあるのが
サイクリングセンターです。ここでは
レンタサイクルの貸出に加え、インフォメーションセンターの役割も担っています。
不思議な形の屋根ですが・・・!
よーく見てみると“茅葺屋根”なんです!
おむすびのような形の三角の形をした
『茅葺屋根』などが一般的ですが…
コチラでは平らな屋根の下に茅葺が
差し込まれこのような形になっている
世界に一つしかない建物。
実は、蒜山では800年ほど前から今に
至るまで『山焼き』が伝統的に行われ、
自然環境の保護や景観の保持に生かされてきました。
しかし、高齢化が進む中なかで『山焼き』をする人手が減少してることが課題となっています。
そんな中、
管理しきれなくなってしまう可能性も
あった蒜山のススキ(=茅葺の材料)。
これを隈研吾さんが最大限に活用して
蒜山ならではの建築物としたのが
サイクリングセンターです。
蒜山の質のいい“茅葺”をアピールし、
利用促進や価値の再発見の象徴と
なっています!
おわりに
今回訪れたGREENable HIRUZENでは
『風の葉』のパビリオンだけでなく、
ミュージアムやショップからもSDGsや
自然の循環などについて多くの事を
学ぶことができました。
SDGs?や循環?というワードを聞いて
漠然としたイメージしか持てていなかった私ですが…ここにある作品の成り立ちや
背景を知り、未来につながるアイディアを学ぶことができてとてもワクワクしました。
蒜山周辺は雪が降っても道路の除雪などが
しっかりされており、年間を通して訪れる
ことができる観光地です!
また、鳥取空港からも車で約1時間30分、
米子空港からも1時間20分ほどで
温泉やアクティビティが楽しめる施設
盛りだくさんでした!
ぜひ皆さんも足を運んでみては
いかがでしょうか?
施設情報
GREENable HIRUZEN
岡山県真庭市蒜山上福田1205−220
電話:0867-45-0750
営業時間:9:00-17:00(入館は16:45まで)
定休日:毎週水曜日(祝日の場合は翌平日)