島根県西部、石見地方の秋の風物詩といえば何と言っても石見神楽(いわみかぐら)。
毎年この時期になるとどこからともなくリズミカルな神楽囃子が聞こえてきます。
現在石見地方には100近くの社中があり、それぞれの地区にある神社や、イベントなどで神楽を舞っています。
特に秋祭りは地域挙げての一大イベントで、夜7時頃から明け方まで続くこともあります。
しかしコロナ禍でここ数年は神楽が中止となったり、短時間に内輪だけで舞われたりしてきました。
浜田市にある長澤社中は、明治初期から続き、1970年の大阪万博にも出演した名門です。
保育園児から大人まで、30人以上が所属し、毎週2回稽古を行っています。
今年は3年ぶりに、神社の秋祭りで夜神楽を奉納することになり、稽古にも熱が入っていました。
浜田市では、保育園で石見神楽を舞う授業があるほど神楽熱が高く、子供も大人も石見神楽が大好き。
石見神楽をやりたいために都会から帰って来る若者も多いそうです。
さて、いよいよ祭りの本番。
神社にはこの日を待ちわびた地元の人達が大勢集まってきました。
石見神楽は全部で30演目以上ありますが、この日はそのうちの9演目が舞われました。
石見神楽の魅力の一つが、豪華な衣装。
花形の舞として人気の「鍾馗(しょうき)」の衣装は、2枚で300万円近くしたそうです。
夜も更けて祭りはいよいよクライマックスへ。
長澤社中オリジナルの創作神楽「加藤清正」がスタート。清正の虎退治のエピソードがモチーフとなっています。
この虎の面は100年近く受け継がれているものだとか。
動きも本物みたいで怖がる子供達も。
最後は清正が悪い虎を退治してめでたしめでたし。
そして、フィナーレを飾るのはやはり「大蛇(おろち)」でした。
火を噴きながら暴れまわる大蛇の迫力がすごい!
結局、全ての演目が終わったのは日をまたいで0時すぎ。
5時間以上にわたり舞は繰り広げられましたが、迫力ある踊りに全く目が離せず、あっという間に感じました。
やっぱり夜に神社で見る石見神楽は最高!
来年も必ず見に行きます。
浜田市では、神社以外にも、イベントや定期公演で石見神楽を見ることもできます!
地元の人たちが熱中する石見神楽の世界を体験してみてはいかがでしょうか。
石見神楽上演情報(石見神楽公式サイト)